★おじさん、あの子犬はどうしたの?★

あるペットショップの店頭に
「子犬セール中」の札が
かけられました

子犬と聞くと
子供はたいそう心を
そそられるものです

しばらくすると案の定
男の子が店に入ってきました

「おじさん
子犬っていくらするの?」
「そうだな
30ドルから50ドル
ってところだね。」

男の子は、ポケットから
小銭を取り出して言いました

「ぼく、2ドルと30セント
しかないんだ
でも見せてくれる?」

店のオーナーは思わずほほえむと
奥に向かってピーッと
口笛を吹きました

すると
毛がフカフカで丸々と
太った子犬が五匹、店員のあとを
ころがるように出てきたのです

ところが一匹だけ
足を引きずりながら、一生懸命
ついてくる子犬がいるではありませんか

「おじさん、あの子犬はどうしたの?」
と男の子は聞きました

「獣医さんに見てもらったら
 生まれつき足が悪くて
 多分一生治らないって言われたんだよ」
と店のオーナーは答えました

ところが
それを聞いた男の子の顔が
輝き始めたのです

「ぼく、この子犬がいい。
この子犬をちょうだい!」

「坊や、よしたほうがいいよ
そりゃあ、もしどうしても
この子犬がほしいって言うなら
ただであげるよ
どうせ売れるわけないから」

と店のオーナーが言うと
男の子は怒ったように
にらみつけました

「ただでなんかいらないよ
おじさん
子の犬のどこがほかの犬と
違うって言うの?
ほかの犬と同じ値段で買うよ
今2ドル37セントはらって
残りは毎月50セントずつはらうから」

その言葉をさえぎるように
店のオーナーは言いました

「だって、子の子犬は普通の
犬みたいに走ったりジャンプしたり
できないから、
坊やと一緒に遊べないんだよ」

これを聞くと
男の子は黙ってズボンのすそを
まくり上げました

ねじれたように曲がった左足には
大きな金属製の
ギブスがはめられていました

男の子は、オーナーを見上げて
優しい声で言いました

「きっとこの子犬は
自分の気持ちがわかってくれる
友達がほしいと思うんだ」

(出典:こころのチキンスープ)